2008年 11月 20日
驚きのうまさ |
10年百姓すると、
野菜のじわっと沁みわたるような「うまさ」に感謝こそすれど
ちっとやそっとの「うまさ」で驚いたりしなくなる。
が、わけあって今日届いたトマトとキュウリを食べて驚いた。
衝撃波が身体中を走る、
「うまい」なんて言葉をうかつに使うものではない。
今日の日のためにとっておくべきであった。
「うまさ」はそのときの人の体調や状況、過去の体験などで
伸縮自在に変化するものだ。
それはそれでよいと思う。
マクドがうまいときもあれば、よしぎゅーが沁みる時もあろう。
ハタケで汗をぬぐいながらかぶりつくトマトはもちろんうまい。
自分の手をかけた野菜もまたかくだんにうまい。
しかしそれはそれ。
今日届いたこのトマトは
間違いなくいつどこで食べても
「うまい」と太鼓判を押せるようなシロモノであった。
甘いトマトはざらにある。
でも甘さと酸味、うまみのバランスが絶妙なのだ。
舌にあの独特のエグミがまったく残らない。
いくら言葉にしようと努力しても無駄かもしれない。
このうまさは頭でなく身体が反応するうまさだ。
いや、恐ろしい。
こんな恐ろしいトマトをつくる人が現実にいるのだ。
しかも偶然でなく、コンスタントに、多収だなんて。
魔法を使うわけでも特別な資材を使うわけでもない。
植物や土壌、微生物の理を丹念に観照し普通につくられたのだ。
この普通につくることがどれだけ深遠なる世界かは
生産者には痛いほどよくわかる。
いや恐ろしいもの食べてしもぉた。
地元石川の人がどれだけ知っているのかわからないけど
こりゃあすごい。
とにかくすごい。
ちびった。
少し腹に力がはいった。
(は
by kousakudou
| 2008-11-20 18:42
| 土ラボ(資材・技術等)