2010年 01月 20日
今日も100円でごめん |
■岩波講座 日本通史第2巻~第6巻 古代編
中世が斜め読み完了で古代編へ。
■「ジャガイモのきた道ー文明・飢饉・戦争」山本紀夫 岩波新書
手放してくれてありがとうという良古書であった。小屋に帰り着くや否やあっというまに読んだ。少し興奮気味に。
本書は野生のジャガイモがどのような過程を経て家畜化(栽培化)されるようになったかという食文化史的概説である。芋と人にまつわる関係学の書でもある。
高所における伝統的栽培方法とか、日本におけるジャガイモ文化など細かいところも芋好きにはたまらない。
なによりも、「アンデス文明はトウモロコシ農耕を基礎に成立した」という通説に疑問を持ち、フィールドワークにより、おやおや意外に芋が現地の庶民の暮らしを支えているのではないか説を検討するところがたまらない。
これはアンチ「穀物文明派」(日本では稲作。米は好きですけど。)にとって読まずにいられるかといった内容。
保存が効き、生産効率や、加工の幅が大きく、生産分業体制や富の蓄積を生みやすい穀物に比べ、芋を中心とする「畑作文化派」は歴史的にも分が悪い。
※イモと日本人―民俗文化論の課題 坪井 洋文 未来社なんか読むとさらに加速する畑作民。山人や島人ととも重なる。
じゃあ、「山の道 」宮本 常一八坂書房なんかも被せていくと、加速度倍。
自分の思ってた国や暮らしの成り立ちがぐらぐらしてきます。
山間百姓じゃないとわかりにくいかもしれないけど。
■「春の数えかた」日高敏隆 新潮文庫
今日が春日だったからわけではないが、これもまた百姓にはおすすめの一冊。
著者は残念ながら昨年末になくなられた。ご冥福を祈る。お礼も言いたい。
高校生のころに著書の翻訳したローレンツの「ソロモンの指輪 動物行動学入門」や「裸のサル 動物学的人間像」デズモンド・モリスや「かくれた次元」エドワード・ホールなどを読みふけった。(高校中退への道でもあった)
銭感覚はゼロに近いが、これらの本により開かれた生き物への感覚に救われている。
フォークロア的、聖性的感覚とはちがった生き物への眼差しである。
この二つの軸線がクロスする世界が好きだ。
内容は95年から数年間にわたって書かれたエッセイ集である。
なんで虫は灯りにとんでくるのだ?生き物はどのようにして春を数えているのか?
エコトーンという生態学的「あっち」と「こっち」の境界線ゾーンの話がいちばんかなあ。
そして「春の数えかたなんて」素敵な言いまわし。
装画・挿画の大野八生さんもいい。
春の不意打ちに呆然と立ち尽くすそのときに陽だまりで読むことにする。
ハタケやタンボの傍にふさわしい一冊。
■その他「黒いハンカチ」小沼丹創元推理文庫・「ムテッポー文学館」中野翠文春文庫・「空想哲学読本」富増章成 宝島社
中世が斜め読み完了で古代編へ。
■「ジャガイモのきた道ー文明・飢饉・戦争」山本紀夫 岩波新書
手放してくれてありがとうという良古書であった。小屋に帰り着くや否やあっというまに読んだ。少し興奮気味に。
本書は野生のジャガイモがどのような過程を経て家畜化(栽培化)されるようになったかという食文化史的概説である。芋と人にまつわる関係学の書でもある。
高所における伝統的栽培方法とか、日本におけるジャガイモ文化など細かいところも芋好きにはたまらない。
なによりも、「アンデス文明はトウモロコシ農耕を基礎に成立した」という通説に疑問を持ち、フィールドワークにより、おやおや意外に芋が現地の庶民の暮らしを支えているのではないか説を検討するところがたまらない。
これはアンチ「穀物文明派」(日本では稲作。米は好きですけど。)にとって読まずにいられるかといった内容。
保存が効き、生産効率や、加工の幅が大きく、生産分業体制や富の蓄積を生みやすい穀物に比べ、芋を中心とする「畑作文化派」は歴史的にも分が悪い。
※イモと日本人―民俗文化論の課題 坪井 洋文 未来社なんか読むとさらに加速する畑作民。山人や島人ととも重なる。
じゃあ、「山の道 」宮本 常一八坂書房なんかも被せていくと、加速度倍。
自分の思ってた国や暮らしの成り立ちがぐらぐらしてきます。
山間百姓じゃないとわかりにくいかもしれないけど。
■「春の数えかた」日高敏隆 新潮文庫
今日が春日だったからわけではないが、これもまた百姓にはおすすめの一冊。
著者は残念ながら昨年末になくなられた。ご冥福を祈る。お礼も言いたい。
高校生のころに著書の翻訳したローレンツの「ソロモンの指輪 動物行動学入門」や「裸のサル 動物学的人間像」デズモンド・モリスや「かくれた次元」エドワード・ホールなどを読みふけった。(高校中退への道でもあった)
銭感覚はゼロに近いが、これらの本により開かれた生き物への感覚に救われている。
フォークロア的、聖性的感覚とはちがった生き物への眼差しである。
この二つの軸線がクロスする世界が好きだ。
内容は95年から数年間にわたって書かれたエッセイ集である。
なんで虫は灯りにとんでくるのだ?生き物はどのようにして春を数えているのか?
エコトーンという生態学的「あっち」と「こっち」の境界線ゾーンの話がいちばんかなあ。
そして「春の数えかたなんて」素敵な言いまわし。
装画・挿画の大野八生さんもいい。
春の不意打ちに呆然と立ち尽くすそのときに陽だまりで読むことにする。
ハタケやタンボの傍にふさわしい一冊。
■その他「黒いハンカチ」小沼丹創元推理文庫・「ムテッポー文学館」中野翠文春文庫・「空想哲学読本」富増章成 宝島社
by kousakudou
| 2010-01-20 23:20
| 漁(古本)